失敗の化学2
固定型マインドセットと成長型マインドセット
固定型マインドの子はいともあっさりと自分の能力を過小評価し、失敗を自分の知性のせいにし始める。きっと僕はあまりあたまがよくないんだ。前から記憶力が悪かったから。こういうのはもともと苦手なんだ。困難なタスクを前にしたとき固定型マインドセットを持つものはこのような考え方になる。
一方成長型マインドセットを持つものは困難なタスクに対してどう反応したか彼らは自分たちが失敗しているとは思っていなかった。楽観主義とも合わさり、80パーセント以上の子供が困難なタスクに対して最初のやる気を維持するか、取り組み方を変えようとした。全体の四分の一は実際に改善した。
彼らは困難なタスクに対してより洗練された方法を自分たちで考えだした。ごく一部の子供は彼らの理解力を超えると思われる問題まで解決した。
固定型マインドセットの企業と成長型マインドセットの企業の間には大きな違いが見受けられた。まず固定型マインドセットで働く社員はミスや非難を恐れており、社内ではミスが報告されないことのほうが多かった。また次のような項目に同意する傾向がみられた。この会社ではほかの社員を出し抜く行為や作業の手抜きが頻繁に行われている。この会社ではしばしば情報が隠蔽されている。
一方成長型マインドを持つ企業では誠実で協力的な組織文化が浸透しており、ミスに対する反応もはるかに健全であった。次のような項目に同意する傾向がみられた。
この会社ではリスクを冒すことを純粋に奨励しているので失敗しても非難されない
この会社にとっての失敗は学習の機会の一つであり、それがいずれかは付加価値のとなると唱えている
この会社では革新的に考えることが奨励され、創造力が歓迎される。
この成長型マインドの会社では、社内で不正や非倫理的な行為が頻繁にみられるかという問いに対して、いいえと答えた社員は、成長型マインドの企業のほうが固定型の企業より41%も多かった。
現代社会では成功は一夜にして生まれるものという考え方が広まっている風潮がある。
しかし現実には成功の裏には数えきれない数の失敗の歴史があるものだ。イチローは3000本の安打を打って記録を樹立したが、その背景には7000以上も安打が出ずに悔しい思いをしている。
何かをなすということは一朝一夕でできるものではない。膨大な時間と労力を使ってようやく成し遂げられるものなのだ。
日本には起業家が少ない、失敗に対する姿勢の違いについて、韓国やアメリカに対して億劫になっている傾向がある。アメリカの起業家は最初のベンチャーが失敗してもそこであきらめることはめったにない。自動車王 ヘンリーフォードはその典型だ。
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